ニガイチゴは長岡に生えているのか問題・解決編

今年の春、ニガイチゴは長岡に生えているのか問題という記事を書いた。その時点ではニガイチゴの存在を確認できていなかった。

その後、長岡市内でニガイチゴが生えているのを見つけた。

場所は『新潟県植物分布図集 第8集』に記載されている沿岸部(寺泊)ではなく、ずっと内陸の東山ファミリーランドである。自然観察林にある明るい草地で数株ほど確認できた。

見つかったニガイチゴはどれも膝の高さくらいの小さな株で、それぞれ数メートル離れた場所にポツポツ生えていた。地下茎で広がっているように見える。大きめの株は見当たらなかった。わざわざあんな場所にニガイチゴを植栽する可能性は低そうなので、自生ではないかと思える。

来春に開花が見られるといいな。

新潟県天産誌を読む(6) さよなら博物学者

前回(5)では『天産誌』の博物目録をすべて斜め読みして、特に気になる箇所を取り上げてみた。これまでの5回で『天産誌』の編書、時代背景、関連人物、プロセスなどを見てきた。当初の予想以上に長くなってしまったので、最後の(6)では出版した後の時代について軽く触れて終わりにしたい。

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新潟県天産誌を読む(5) 目録ぜんぶ斜め読み

前回(4)では『新潟県天産誌』が完成するまでのプロセスについて調べた。今回(5)では『天産誌』に現れる動植物のリスト6600項目をざっと斜め読みして、気になる箇所をチェックしてみる。とはいえ浅学菲才の自分には見たことも聞いたこともない種類が大半なので、全部チェックするのは無理。よって特に目立つ種類のみに留める。コケ植物、昆虫類、貝類、菌類、鉱物、古生物などはほとんど読み飛ばしていることを予めお断りしておく。

なお併記している学名は、基本的に本文からそのまま引用しているので、現在の一般的な学名とは異なるものが多い点に注意。当時は学名の種小名を小文字で表記する習慣があまり定着していないようで、大文字始まりになっている種小名が目録のあちこちに見られる。

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新潟県天産誌を読む(4) 標本探しは千里を越えて

前回(3)では『天産誌』が生まれた時代背景について見てきた。庄内の博物学の系譜と新潟のオイルマネーが融合した場所にこの本が生まれたらしいことが分かった。今回(4)ではこの本が一体どうやって作られたのか、そのプロセスをなるべく具体的に推測したい。そして実際の行動を思い浮かべてみたい。

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新潟県天産誌を読む(3) 石油の匂いは地の底から

前回(2)では『新潟県天産誌』が作られた当時の時代背景について調べてみた。明治大正期は近代日本にとって荒削りな青春時代という雰囲気であった。今回(3)では中村正雄の周りにいた同時代の人々について調べてみたい。今回もまた国立国会図書館や各地の博物館や公文書館などのリンクだらけである。

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