前回(4)では『新潟県天産誌』が完成するまでのプロセスについて調べた。今回(5)では『天産誌』に現れる動植物のリスト6600項目をざっと斜め読みして、気になる箇所をチェックしてみる。とはいえ浅学菲才の自分には見たことも聞いたこともない種類が大半なので、全部チェックするのは無理。よって特に目立つ種類のみに留める。コケ植物、昆虫類、貝類、菌類、鉱物、古生物などはほとんど読み飛ばしていることを予めお断りしておく。
なお併記している学名は、基本的に本文からそのまま引用しているので、現在の一般的な学名とは異なるものが多い点に注意。当時は学名の種小名を小文字で表記する習慣があまり定着していないようで、大文字始まりになっている種小名が目録のあちこちに見られる。
連載インデックス
- (1) 博物学者がいた時代
- (2) 雲の色と天の色
- (3) 石油の匂いは地の底から
- (4) 標本探しは千里を越えて
- (5) 目録ぜんぶ斜め読み
- (6) さよなら博物学者